2010年2月10日水曜日

腱鞘炎のキネシオテーピングの貼り方ver2

前回の腱鞘炎のキネシオテーピングの貼り方に引き続き、別角度から

説明していきます。このテーピングは非常に効果的です。
軽度の腱鞘炎の方であれば、貼った後の軽いマニュピレーションで
瞬時に痛みやハリ感が消失しますので、ぜひマスターしてください。
まずおさらいです。親指で腱鞘炎になりやすいのは、
下記の図の長母指外転筋と短母指伸筋の二つの腱が通る
伸筋支帯の第一トンネル(※)です。下図の左側の腱になります。










では貼ってみましょう。
キネシオテーピングの幅を2.5cmにカットして、長さは親指の爪の
生え際から肘の外側上顆までを採寸します。
下図のように腕を前に出し、そこから手の甲を天井を向けたまま肘を
90度くらい曲げます。その状態で手の甲から肘に向かって手をあてて
いくと隆起した骨に触れられます。それが外側上顆です。

【貼り方】
 ①親指を曲げた状態で爪の付け根から貼り始め、一旦、親指の付け根
  までテーピングを貼ります。注意すべきは、親指を曲げた状態で貼る
  ため、指の中央部が隆起します。
  (文章ではピンとこないと思いますが、指を曲げた状態をご自身で
  見てみると、理解できると思います)
  その隆起部にテープがのっかる形になりますので、うまく貼らないと
  隆起にのっかっていない両脇のテープ同士がくっついてしまう場合が
  あります。(白線までの作業)

②一番の上のイラストで示した、長母指外転筋と短母指伸筋の腱の
 上にうまくテープをのせられるよう方向付けをしっかりします。
 (白線までの作業)








③腱の上にテーピングをのせてあげます。
 この状態では、皮膚の遊びをとるために手首を
 尺屈(小指側に手首を曲げる)します。腱の位置が分からなく
 なってしまうので、親指を起こして腱を浮き立たせて再確認すると
 より正確に貼れると思います。
 もしくは事前に腱にペンで線を引いておくとよいでしょう。
 (白線までの作業)









④最後の仕上げです。
 手首を尺屈(小指側に曲げた肢位)の状態のまま、下図のように
 親指側を内側に回します。
 この作業で、外側上顆までの距離が広げられ、皮膚の遊びをより
 多く取ることができます。実は長母指外転筋も短母指伸筋も
 外側上顆まで筋肉が走行していません。外側上顆まで貼る理由は
 前腕の伸筋群側にもアプローチする為と考えてください。










通常、他のテーピングでは、「仮置き」といって、一旦、セパレーターから

キネシオテックスを剥がして、体に貼る作業があるのですが、
この腱鞘炎のテーピングでは、貼る部位ごとに段階的に貼っていきます。
(その方が貼りやすい!)
貼り終ったら、何回か親指側に手首を曲げて(橈屈)あげて、
テーピングに「しわ」ができるかをチェックしてください。
貼り方Ver1と合わせてイメージするとよいと思います。
慣れれば簡単、一人でも貼れる腱鞘炎対策です。
ぜひお試しください。

でも腱鞘炎って不思議だと思いませんか、腱鞘炎は指の使い過ぎで
起こると言われてますが、痛みが出ている腱は伸筋の腱鞘です
親指を起こすような動きって、日常生活ではほとんどしない
動きですよね。(海外のヒッチハイカーでもない限り・・・)
普段しない動きなのにお医者さんは「使い過ぎ」と言います。
なぜでしょう?
実はちゃんと発症メカニズムが存在します。
「使い過ぎ」には間違いないのですが、さてどこが使い過ぎなのでしょうか?
このなぞが解けると更に効果的なキネシオテーピングを貼ることが
できるようになります!

これもテープは引っ張らずに貼りましょう。
(皮膚の上に置いてあげるイメージ)

※伸筋支帯のトンネル


 第一:長母指外転筋と短母指伸筋の腱
 第二:長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋の腱
 第三:長母指伸筋の腱
 第四:示指伸筋と総指伸筋の腱
 第五:小指伸筋の腱
 第六:尺側手根伸筋の腱



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続く・・・