2010年1月29日金曜日

肩こりのキネシオテーピング(広背筋)

今日は広背筋のキネシオテーピングです。
広背筋は腋窩(脇のした)の後面を形成する筋肉の一つです。
前回の大胸筋のキネシオテーピングでもお伝えしましたが、
腋窩を形成する筋肉群の柔軟性の低下は、Yシャツの脇の下の
生地を掴んだ状態で、腕を上げるようなものです。
よって身体前面を緩めたのであれば、後面の広背筋にも
アプローチしてあげましょう。

【貼り方】

言葉で説明するのが非常に難しい・・・
何を言わんとしているのか感じてもらえるとうれしいです。

 ①腕を180度上げ、Y字の切れ込みの無い一端を
  腋窩後面に貼る(写真参照)

 ②写真の右側のテープから貼ります。体を反対側に
  ラジオ体操のように曲げる(側屈)

 ③広背筋の筋腹に沿って骨盤の後面に向けて貼る。

 ④残りのテープは、体を元の状態に戻し、腕を前方に
  100度くらい上げ、更に背中を丸め、反対側に体を
  ねじった状態でキープ。(曲げるのではなく捻る)
  そして、7番目の胸椎に向けて貼り、そこから背骨に
  沿ってお尻に向けて貼る。

貼り上がりの写真とご自分が貼ったテーピングを見比べてみてください。
今回は貼り方が難しいですね。

おまけとして、よくある失敗例もお見せします。
(私もよくやる失敗です・・・)

広背筋のテーピングは、筋腹を正確に捉えるのが非常に難しい。
ポイントはどこかというと、背面において、広背筋の上縁は
「肩甲骨の下角」となります。
よって、テープの走行は肩甲骨の下角よりも下に位置するのが
理想となります。一度貼ってみるとわかりますが、なかなか難しい・・・。
下図の「失敗!」のように肩甲骨にかぶってしまう失敗が多いです。

①腕を上げた状態

②腕をおろした状態


















たくさん貼ってコツをつかみましょう!


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続く・・・

2010年1月26日火曜日

肩こりのキネシオテーピング(大胸筋)

今まで、肩周りの僧帽筋、上腕の筋肉で肩甲骨に付着する
上腕二頭筋、上腕三頭筋を紹介しましたが、今回は身体の前面に
ある大胸筋のキネシオテーピングです。

なぜ大胸筋が肩こりに関係があるかというと、腕を真横に
上げる際に(耳に腕をつけるように)腋窩(わきのした)の
前面と後面が伸びるのを感じることができると思います。
このわきのしたの前面を作る筋肉が大胸筋です。
この筋肉が縮んでいた場合、腕が上がりにくくなると
想像できませんか?
ちょうどYシャツを着て、わきのしたの生地を掴んだ状態で
腕を上げるようなものです。
特に五十肩のような腕を上げる行為ができなくなる症状の場合、
その阻害要因と考えられるものを一つ一つ取り除いていくことが
重要になります。
その「阻害要因」の一つとして大胸筋も挙げられます。
完成図は下図ですが、特に腋窩の前面に「張り」を感じる場合は、
図のように筋腹を覆ってあげるのがポイントです。

【張り方】

 ①三角筋の前面に切れ込みの無い方を貼ります。
 
 ②腕を90度真横に上げ、次に後方へ腕を引く。
  (貼る部位の皮膚を伸ばす為)

 ③そしてY字の上側を胸鎖関節に向けて鎖骨の
  内側1/2に貼る。

 ④90度真横に上げた腕を更に上げて、Y字の下側を
  腋窩の筋腹の上にのせる。




上図をご覧になれば分かりますが、腕を下げた通常の状態では、
Y字の下側のテープは「しわ」を作り半分以下に縮めらた状態になります。
また歩く際に腕は無意識に振られますので、しっかり貼りつけて
おかないと剥がれ易くなってしまいます。

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続く・・・

2010年1月25日月曜日

肩こりのキネシオテーピング(上腕三頭筋)

上腕二頭筋の拮抗筋である上腕三頭筋です。

一方の筋肉が縮めば、他方の筋肉が伸張されるような関係に
あるものを主導筋と拮抗筋の関係と呼びます。
他には大腿四頭筋とハムストリングス(太腿の裏の筋肉群)、
腸腰筋と大殿筋等がこの関係にあります。
主動筋と拮抗筋の関係は一方が収縮する時、他方が完全に
弛緩することはなく、動きのバランスを取るために必ず働いてます。
上腕三頭筋は二頭筋とは逆に肘を伸ばす働きがあります。
そして二頭筋同様に肩甲骨に付着している筋肉です。
二頭筋をキネシオテーピングでパフォーマンスUPする際には、
同時にこの三頭筋にも貼ってあげるとより効果的です。

【貼り方】

① 手首を自分の方に向け、腕を抱え込むように首の後ろまで
   手掌を持っていき、貼る部位の皮膚を伸ばす。

② テープの切れ込みの無い方を肘頭から貼り始める。

③ 切れ込みを入れたY字の上側を上腕骨頭を包むように貼る。

④ ①の状態まま更に腕を上げ、Y字の下側を上腕骨頭を
   包むように貼る。

上手に貼れていると、Y字の終端が肩甲骨の方に向かった
状態になります。(少し弧を描くようになります)
また、貼る部位の皮膚を目一杯伸ばして貼られていれば、
腕を通常の状態に戻した際にきれいにテーピングにしわ
できます。しわが出来ていなければ皮膚の遊びをとることが
不十分だったと考えられます。







 
 
 
 
 
 
 
 
物を押す作業の繰り返しで腕の裏側が痛い場合や、
肘の痛みにも効果的です。 また上腕三頭筋は腕立て伏せで、
肘を伸ばす際によく使われる筋肉なので、 筋肉トレーニング前に
貼り、筋肉のパフォーマンスを上げてトレーニング効果を
上げるのにも最適です。
 
上腕三頭筋のART(アクティブ・リリース・テクニック)を
加えた後にこのテーピングを施すと非常に効果が高いです。

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続く・・・

2010年1月20日水曜日

肩こりのキネシオテーピング(三角筋)

トレーナー養成講座で一番最初に行う基本練習でもある
三角筋キネシオテーピングについてです。この筋肉は少し
発達していれば、どのような筋肉の形をしているのか目視で
判別できます。筋肉に沿ってテーピングを施す練習には
もってこいの筋肉なのです(でも意外と難しい・・・)。
またこの筋肉は肩関節の外転、伸展、屈曲、水平伸展、
水平屈曲と多様な動きの関与するので、
いかにキネシオテックスと身体とが一体化しているかが重要になります。
簡単に言うと貼った後に肩関節をどの方向に動かしても違和感を
感じなくさせることが重要なのです。
人間は関節の角度を周辺軟部組織(関節包、表面の皮膚等)の伸張の
度合いでモニターしています。そのモニターの役目を果たしているのが
固有受容器と呼ばれるものです。
よって、必要以上の皮膚への刺激はなるべく避けた方がよいと思います。
三角筋は一つの筋肉ではなく、前部・後部・中部と三つに分かれて
いますが、ここではその一個一個にアプローチするものではなく
全体的にカバーする代表的な貼り方を紹介します(下図)


貼り始めは三角粗面といって腕を真横に上げた(外転)状態で、
三角筋のふくらみに沿って手指側になぞっていくと、筋のふくらみが
終わるところを確認できます。
そこから筋を包むようにY字の切れ込みの部分を貼り始めます。
身体の全面は鎖骨の外側1/3に向けて、後面は肩甲棘
(肩甲骨の骨が隆起しているところ)に向けて貼ります。
違和感なく貼るためには、貼る部位の皮膚を十分に
伸ばす必要があります。前面を貼る場合には肘を伸ばし、
腕を後方に持っていき、後面を貼る場合は腕を前方に持っていきます。
(腕を反対の手で抱きかかえるイメージ)。

身体親和性を持たせるには、この「相手に取らせる肢位」が
とても重要なので覚えておいてください。うまく貼られていれば、
下図のように腕の動きに伴いテープがしわを作ってくれます。












このテーピングだけで肩こり・五十肩を完治させることは難しいと

思いますが、基本的な下地として貼るテーピングだと
捉えておいてください。

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続く・・・

2010年1月17日日曜日

肩こりのキネシオテーピング(下僧帽筋)

上僧帽筋・中僧帽筋に続き下僧帽筋です。

このテーピングで僧帽筋を全てカバーできることになります。
この筋肉は6番の胸椎~12番目の胸椎に始まり、肩甲棘の内側端に
付着しています。この筋肉の特徴として肩甲骨の上方回旋を起こします。
腕を真横に上げていく過程で、30度以上あげたところから肩甲骨が
回転を始めます。そして腕が180度上がりきったところで肩甲骨は
約60度くらい元の位置から回転をします。
よって五十肩等で腕が上がりにくい人はこの肩甲骨の動きを
スムーズにしてあげることも重要となってくるわけです。





肩こり・五十肩に貼るテーピングは何種類かありますが、この下僧帽筋の
テーピングは背中から上腕の動きをフォローしてくれるテーピングです。

【貼り方(下図)】

① 貼る部位の皮膚を伸ばすので背中を丸め、肩甲骨を背骨から
  引き離す姿勢をとる。

②そして、貼る側の腕もクロールのように前に突き出して、
  更に肩甲骨を背骨から離す。

③切り込みの無い方を肩甲骨三角に貼る。
  (肩甲棘の肩甲骨内側端)

④Y字の上側を胸骨の6番目に向けて貼り、それ以降の
  テープの余りをお尻の方に向けて貼る。

④Y字の下側は下僧帽筋を包むように胸椎の12番目に向けて貼る。












重ね貼りをしていくので、本当は右側に貼るべきですが、上図は
分かりやすように左側に貼りました(赤テーピング)
ちなみに右側の赤テーピングは上僧帽筋
青テーピングは中僧帽筋です。

ラーメンに入れる七味(私は胡椒よりも七味派)のように
ピリッと効かすスパイスのようなテーピングです。
意外と背中も緩み肩を動かしやすくなりますよ。

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続く・・・

2010年1月14日木曜日

肩こりのキネシオテーピング(中僧帽筋)

前々回の上僧帽筋に続き中僧帽筋です。
僧帽筋という筋肉は大きく3つの筋肉繊維に分断され、それぞれの
働きも異なります。今回の中僧帽筋はもっとも筋幅が厚く強力な筋肉で
重い荷物を持つときに背中の肩甲骨をしっかりロックして安定させ
三角筋の働きを助けます。よって重い荷物を長時間持ち続けた結果、
生じた肩こりに効果があります。

【貼り方】
 ①首を前に曲げ、貼る側の手を反対側の肩にかけるように
  貼る部位の皮膚を伸ばす。

 ②肩先(肩峰)にテープの切れ目の無い方を貼る。

 ③二つに切った上側を6番目の頚椎、下側を胸椎の5番に向けて貼る。

※首を前に倒すと骨の出っ張りが確認できます。その状態で首を左右に
  振って動くのが7番目の頚椎で、動きにくい方が胸椎の1番目です。
  これを目安に頚椎の6番目を見つけましょう。

下図は上僧坊筋と一緒に貼った場合の貼りあがりです。
この2枚を貼ることにより肩関節の動きが軽くなると思います。
また、この中僧帽筋は胸を張る、姿勢を正す働きもあるので、
猫背にも効果があります。













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続く・・・

肩こりのキネシオテーピング(上腕二頭筋)

今日は肘関節の中でもっとも強力な屈筋である
上腕二頭筋です。力コブを作る筋肉でお馴染みです。
この筋肉は「二頭筋」と呼ばれるように筋肉の
起始部(※)が2箇所になります。
両方とも肩甲骨なのですが、一つは烏口突起
(図参照)、もう一つは関節上結節といって、
腕の骨と肩甲骨が接合する部分です。
そして停止部は肘を超えて橈骨という骨に付着してます。
肩関節と肘関節の動きに関与する二関節筋です。








肩こりを考える際にどうしても肩・首周りの筋肉に
注目しがちですが、肩を動かす場合には必ず
肩甲骨の動きが関与します。
(このことは「中・下僧帽筋」を紹介する際にもお伝えします)
よって、肩甲骨に付着する筋肉に対してもアプローチする
ことが肩こり・五十肩を考える上で重要となります。

また、この上腕ニ頭筋は腕を下げている状態から何かの
アクションを起こす際に、(例えば、本棚の本を取る 等)
上腕骨頭を肩甲骨の関節窩に対して、正しい位置に
導きます。すなわち、重力によって僅かに下方に
位置していた上腕骨頭を腕を動かす上で最適な
ポジションに上腕骨頭を動かします。

上腕骨頭が生理的に正しい位置に置かれることに
よって初めてスムーズに腕を動かすことができるのです。
上腕ニ頭筋は非常に重要な役割をしています。

後ほど掲載しますが、上腕三頭筋、烏口椀筋、小胸筋等も
非常に役立つキネシオテーピングです。

【貼り方】
 ①肘を少し超えたところに切れ込みの無い方を貼る。

 ②肘を伸ばし、腕を後方へ引く。(皮膚を伸ばす為)

 ③切れ込みを入れた一本目を烏口突起に向けて貼る。
   (図参照)この時のポイントは力コブの筋肉を
   包むように貼ることです。

 ④2本目を肩峰(肩先の頂点)の少し前方に向けて貼る
   上手に上腕二頭筋のふくらみを包んで上げて下さい。
















※起始/停止:筋肉の骨への付着部の呼び名です


続く・・・

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2010年1月12日火曜日

肩こりのキネシオテーピング(上僧帽筋)

今日から日頃よく使うテーピングを紹介していこうと
思います。初回は肩こりの際に貼る上僧帽筋の
テーピングです。この上僧帽筋という筋肉は後頭骨から
始まって、鎖骨の肩先側の1/3に付着しています。
肩を上げると筋肉が盛り上がるのを確認できます。
この筋肉が縮むと肩先と耳を近づけるような動きに
なります。極端に短縮・過緊張を起こすと肩が上がり、
首が伸展し、他側に回旋、同側に側屈を起こします。
指圧・マッサージでよく耳にする「肩井(けんせい)」と
いうツボがありますが、この上僧帽筋を指圧している
ことになります。

下記が貼り終り図です。上僧帽筋の筋腹に沿って貼ります。
今まで「キネシオテーピングの概要」で説明してきましたが、
キネシオテーピングの効果はいかに「しわ」を作りやすい
肢位で貼ってあげるかがポイントになります。
よって貼る部位の皮膚を最大限に伸ばしてあげます

【左側の貼る場合の皮膚のアソビの取り方】


 ①首を左に倒す。

 ②その状態であごを引く。

 ③できれば肩先を下に落とす。

 ④まだ皮膚に「あそび」があれば、術者は肩先の
   皮膚を押し下げてあげる。

上記の4つのアクションが必要になります。

ホワイトテープを貼る場合の肢位は、患部を
関節の中間位で「固定」していることが多いと思います。
これは「テープによる簡易的な患部の固定」が目的だから
ですよね。
キネシオテーピングの場合は動きの中で症状を改善して
いくので、動きの中の一瞬をとらえてテーピングを施します。
その「一瞬」とは「皮膚が最大限に伸長された肢位」の
ことです。


テープは引っ張らずに貼りましょう。

(皮膚の上に置いてあげるイメージ)

貼った後に肩を上げてみて、テーピングにしわが
できていれば成功!


















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続く・・・

2010年1月9日土曜日

講習会に出る場合のコツについて

皆さんが講習会に出る場合のちょっとしたコツを紹介。


【1】
やる気のありそうな人とコンビを組む。
これは非常に大事!
キネシオテーピングの講習会は実技がメインとなり、
お互い貼り貼られの6時間となります。
あまりやる気の無い人を相棒にしてしまうと
グダグダになってしまいます。

【2】
相手に、必ず貼られた感想を聞く。自分が貼られた
場合も然り。その際に、正直な感じを伝えてあげる。決して
「なんか軽くなりました」とか「いいですねぇ」とかいう言葉で
終わらないこと。いい加減な受け答えはしないことです。
自分の持っているボキャブラリーを総動員してください。
効果を感じられなければ、正直に「なんか効きませんねぇ」
と伝えてあげる。相手にも同じ要求をしてください。
「キネシオテーピングを相手に貼ってどうなるのか」を
最初に体感する場面です。
お互いで感想を言い合いましょう。

【3】
なるべく衣類の上からは貼らない。これだと貼り方の練習
にもなりません。(女性の場合は難しいと思いますが・・・)
部位によってはお尻を出したり、股間のきわどいところから
貼り始めるテーピングもあります。恥ずかしがらずに相手に
貼らせてあげましょう。結構、体幹に近いところから貼る
テーピングの方が効果が高いと思います。
女性一人で参加される場合は、なるべく同性の方と
組んだ方がやりやすいと思います。

(一度、高校のサッカー部のマネージャーをされている
女子部員が数名参加されたことがあるのですが、
ほとんどのテーピングを衣服の上から貼られていました・・・)

【4】
なるべく少人数の講習会に参加する。
(講師にチェックしてもらえるので)
ベテランの先生といえども、何十人も参加されている
講習会だとさすがに全員に目が届きません。
基礎講座だと、キネシオテーピングの概論の説明で
約1時間、残りの5時間でだいたい20個くらいの
テーピング実技を行います。
すると、一つのテーピングにかけられる時間は
15分程度です。この時間の制約があるので、
多くの質問には答えられないという実情があります。

【5】
ハサミは本当に良く切れるものを準備していく。
切れないハサミだと結構ストレスが溜まるんですよ(笑)

【6】
前日は十分に睡眠をとっておく。
6時間は意外ときついですよ!

【7】
これから基礎講座→部位別講座→コレクションテープ講座
→特殊テープと段階を踏んで受講していこうと
考えている人の場合、最初の基礎講座では、

「各々のテーピングの貼り方を覚える」

という考え方ではなく、

各々のテーピングの貼り方を使って、
キネシオテーピングの基礎的な貼り方を覚える

という認識で講義に臨まれるのを
おすすめします。

何を言いたいかというと、
例えば、三角筋のテーピング法がありますが、
このテーピングを貼る前の段階で、
キネシオテーピングの基本的な貼り方を身につけて
おく必要があります。この基礎ができていないと、
見た目は三角筋のテーピングとして上手に
貼れているのですが、効果のある「効くテーピング」には
ならないのです。

よって、「20個のテーピングを覚える」ではなく、
「20個のテーピングを使って基礎を修得するという
スタンスで受講されるのをおすすめします。
色々なテーピングの貼り方は次の部位別シリーズで修得
できますので、焦らずに基礎講座では「基本」を
学びましょう。その方が必ず上達します!

以上、自分が講師として感じたことをお伝えしました。
相手に「貼る」だけじゃなく、相手から「貼られる」練習
でもあることを頭に入れておいてくださいね。


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続く・・・

2010年1月8日金曜日

キネシオテーピングの上達法について

指導員になって今年で8年目になりますが、私が考える
キネシオテーピングの上達法を今日はお伝えしたいと
思います。
それは何かというと「講習会に参加する」ことだと思います。
「なんだよ 講習会の宣伝かよ」と言わずに、
まず聞いてください。
と言いますのも、キネシオテーピングを「貼る」という
行為は比較的簡単に場数をこなせます。
しかし、「貼られる」という行為はなかなか機会が
ないものです。まず貼り方を知っている人が必要です、
もしくは貼り方を教わって誰かに貼りたくてウズウズ
している人が必要です。スポーツ関係に携わっている人
ならともかく、一般の方の場合、なかなかまわりに
いないものです。

「貼られるのも練習ですよ」と講習会の最中に私は
頻繁に口にします。それは、すぐ効果の出るテーピング、
効果がなかなか出ないテーピング、貼った部位とは
違う筋肉の出力が上がる(パフォーマンスが上がる)
テーピング(遠位への影響)がどれにあたるのかを
自分で確かめることができる。また、うまく貼られていない
テーピングの違和感がどういうものか?
貼られる時にどういう扱い方を相手にされると不快に
感じるか?
毛の上に貼るとどんな感じがするのか(痛いのか)?
重ね貼りするとどんな感じか(安定感が増すのか)?等、
自分で体感しなければ、各々のテーピングの効果を理解
することはできません。
自分が貼られて「これは効く」と思ったテーピングは、
自分の血となり肉となると思います。

正直、私は「坐骨神経痛テーピング」を自信を持って
教えられません。
なぜなら神経痛の経験が無く、実際に痛みを和らげる
ためにテーピングを施された経験が無いからです。
痛みがやわらぐメカニズムは分かります。
貼るコツ、貼る際の肢位も頭に入っています。
しかし経験から裏付けされた、気持ちのこもった言葉で
説明することができないのです。かなしいかな・・・。

他人の痛み・不調具合がどんなものか、どんなプロの
先生でも分かりません、しかし、テーピングの効果を
自分で体感していれば、「確かあの時、テーピングを
貼ったら体が楽になったんだよなぁ。もしかしたらこの人にも
効果があるかも!」という具合に自分の経験から、
貼るべきテーピングを推測できるようになります。

キネシオテーピングの効果は言葉で教えてもらうもの
ではなく、自分の体から教えてもらうものだと思います。
そういう意味で、講習会への参加が最良の上達法だと
私は思います。

『まず貼られ その後貼って 貼りまくる』

これがキーワード(笑)

とにかく、講習会に参加して貼られた効果を体で
覚えたら、貼って、貼って、貼りまくってください。

必ず上達しますよ!

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続く・・・

2010年1月7日木曜日

キネシオテーピングはどのような場合に貼るのか?

前回、キネシオテーピングの効果について
お伝えしました。ではその言葉の示す内容を
実生活の場面に置き換えるとどうなるのかを
考えてみます。

①筋肉の機能を正しく戻す

・筋肉のパフォーマンスUPと言っても100%の状態を
 125%まで引き上げることはできません。なんらかの
 阻害要因の為に本来の筋能力を出せない筋肉を
 100%に近い状態まで改善してあげるのです。
 よって筋トレ前に鍛えたい部位に貼るとより効果的な
 トレーニングができると思います。

・柔軟性のUPに役立ち、怪我の防止効果が期待できます。

・五十肩等で痛みによりその部位を動かせない
 状態が「積極的にその部位をうごかさない自分」を
 作ってしまい症状の悪化を招いてしまうということは
 多々あります。キネシオテーピングで筋肉を動かし
 やすい状態を作り、積極的に体を動かし、血流を
 良くして症状の改善を促します。

・握力の低下、腰痛時のコルセットの代用、喘息、
 捻挫、膝の痛み 等々

②血液・リンパ液の循環を良くする

・肉離れ、青アザの早期回復、歩き過ぎによるふくらはぎの
 張り感、むくみ 等々

③痛みを抑える

・坐骨神経痛、上腕神経痛、胃の痛み、腱鞘炎 等々

④関節のズレを正す

・膝、肘の痛み、股関節痛、突き指 等々
 (関節を動かす筋肉を正常な状態にしてあげる)

上記は代表例で、まだまだキネシオテーピングは
色々な症状に効果があります。
私にキネシオテーピングを学ぶきっかけを与えてくれた
先生が言うには、「これは効くかもしれないから、ちょっと
貼ってみよう」とインスピレーションが湧いたテーピングの
方が結構効果をもたらすそうです。まず貼ってみる、
そして相手に効果を聞いてみる。
これはキネシオテーピングをマスターしていく上で
必要な過程だと思います。

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2010年1月6日水曜日

キネシオテーピングの効果について

今までキネシオテックスの特性、他のテーピングとの違い、
身体に及ぼす作用をお伝えしてきました。貼った後に
キネシオテーピングが結果的に体にどのような
効果もたらすのかをまとめてみました。各講習会で
教えるのは下記の4点です。

 ①筋肉の機能を正しく戻す
 ②血液・リンパ液の循環を良くする
 ③痛みを抑える
 ④関節のズレを正す

①については、皮膚に作られた「しわ」によりターゲットの
  筋・筋膜組織に供給される組織間液(潤滑油)を増やし、
  動きやすい状態を作る。

②については、皮膚に接着されたキネシオテーピングが、
  皮膚の伸展性・移動性を向上させ皮下の循環系を
  改善する(正常の状態に戻す)。
  真皮内に網状に分布する毛細血管の最小径は
  赤血球が通れる程度あればよいので7μ(0.007mm)
  程度です。よってわずかな皮膚の動きでも毛細血管内に
  血流の流れが生みだされるのです。

③については、ゲートコントロール機能を導き、また、
  循環系の改善・向上により疲労物質・発痛物質を
  還流させるといわれています。

④については、関節を動かす筋肉を正常な状態に戻す
  (=①の結果)。
  また、詳細は別途説明しますが、キネシオテックスの
  持つ伸縮性を利用してテンションをかけて(引っ張って)
  テーピングを施すコレクションテープという
  テクニックがあります。

キネシオテーピングとは一体何なのか?、どういう効果があるのか?について説明してきました。講習会に参加された方ならもうお分かりですよね。全く知識がなかった方はいかがでしょうか、
参考になりましたでしょうか。

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続く・・・

2010年1月5日火曜日

続き 皮膚へのアプローチ【3】

皮膚へのアプローチについての続き。


キネシオテーピングの独自性のところで
「リンパ液の流れの改善」と記載しました。リンパ浮腫で
通院された方はご存知かもしれませんが、浮腫が
生じている部位に施す「リンパドレナージ」という
マッサージがあります。これは患部に溜まった
組織間液をリンパの末端から吸収させやすくして、
むくみを改善するものです。この場合、リンパが
溜まっている皮下組織がターゲット、その下の
筋肉にまで力を加える必要がありません。
力を加えてしまうと逆に組織間液を十分に吸収する
ことが出来ず、リンパ毛細血管を逆に痛めてしまう
こともあるそうです。やさしく皮膚を「ずらす」程度の
力で行う方が実は効果的なのです。
ここまでくるとピンときませんか?
キネシオテーピングの治療部位はどこか?で
記載した「キネシオテーピングの最大の特徴は
体表面に圧力を加えずに皮膚の動きをコントロールできる
ということは、リンパの流れの改善に非常に大きな効果を
果たします。キネシオテーピングを施すことにより、
日常生活のなにげない動きに連動してテーピングが
患部の皮膚を少しずつ継続的に「ずらし続ける」ことにより、
リンパの流れを改善してあげることができるのです。

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続く・・・

2010年1月4日月曜日

続き 皮膚へのアプローチ【2】

皮膚へのアプローチについての続きですが、


キネシオテーピングの独自性のところで、
「神経刺激の緩和」と説明しましたが、これは
前回の「皮膚のしわ」がもたらす効果とは少し
違うもので、(神経痛で)痛みのある部位の上に
キネシオテーピングを施すことにより、
ゲートコントロールという現象が生じます。
切り傷にバンドエイドを一枚貼るだけで痛みの
感じ方が和らぐという経験は誰にもあると思います。
人間の身体は「さする・なでる」といった軽い
刺激の方が、するどい・にぶい痛みよりも早く脳に
届き、後から届く痛みをシャットダウン(軽減)する
機能があります。しびれの走行に沿って貼る
坐骨神経痛テープが効果を上げるのは
こういう理由なのです。
他には上腕神経テープ、肋間神経テープ等の
貼り方があります。
先輩の指導員から聞いた話ですが
尺骨神経痛には結構効き目があるみたいですよ。

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続く・・・

皮膚へのアプローチ【1】

「皮膚のしわ」と言われてもピンと来ない方もいると思います
ので、下図を見てください。この「しわ」を作れるように
なるのが基本中の基本です。






では、この「しわ」が身体にどのような作用を及ぼし、
その結果どのような効果を導きだせるのかを
考えていきましょう。まずキネシオテーピングの講習会でも
よく耳にする言葉だと思いますが「リンパ(液)」について
理解しておきましょう。動脈を流れる血液は栄養
(ミネラル・ビタミン・アミノ酸類)や酸素を運搬し
各組織細胞に配給しつつ最後には毛細血管へと至ります。
毛細血管の管組織の結合は粗く、継ぎ目から血漿
水溶液の一部分が組織中に漏れ出てきます。
この漏れ出た液体は細胞のすきまを満たし「組織間液」と
呼ばれ各細胞に栄養を与え、老廃物を回収します。
動脈で送られた血液総量を100%とすると90%が静脈へ、
残りの10%はリンパ管に吸収され再び心臓へ戻ります。
このリンパ管によって運搬される体液を「リンパ液」と
呼びます。表皮の下では、常に細胞に栄養が与えられ、
老廃物が回収されるというサイクルが行われています。

さて、ここで「皮膚のしわ」と結びつけて考えてみましょう。
しわができるということは皮膚が波打っている状態です。
当然「山」の部分と「谷」の部分が交互に連なります。
では「山」の部分の皮下の状態は一体どうなって
いるのでしょうか?

下図はキネシオテーピングを貼る前と貼った後の状態を
簡単に表したものです。







キネシオテーピングを貼ることにより、その伸縮性と
粘着性によって、皮膚を持ち上げることができるため、
その皮下の容積を増やすことにより、組織間液を
他の部位よる多く流し込めます。循環が悪い状態で
あれば、通常の状態に戻すことができます。
そして筋肉は組織間液という「潤滑油」を得て、
より動きやすくなります(パフォーマンスUP)。
損傷を受けた筋肉はその回復に栄養が必要なので、
キネシオテーピングを貼ることにより、皮下の体液循環を
上げて回復を早めることもできます。
当然栄養を与えるだけではなく、老廃物の回収も
行われるので、運動によって生じた疲労物質を
洗い流すこともできます(翌日に疲れを残さない)
皮膚にアプローチすることにより、その皮下の筋肉に
影響を与えることが可能になるのです。

次回と次々回も同様に皮膚へのアプローチについて
補足します。どうですか?だいぶキネシオテーピングに
ついてわかってきましたか?
皮膚の下では一体どんなことが起こっているのかを
考えながら貼ると意外と効果が上がるものですよ。

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続く・・・

2010年1月3日日曜日

キネシオテーピングの治療部位はどこか?

今までの内容を読まれた方の中には、ふと疑問に
思うことが出てくるのではないでしょうか。
「なんで筋肉に沿ってテーピングを貼るの?」と。

「筋肉に沿ってキネシオテックスを貼る」と
講習会では教えてもらいますが、
「狙うべき(分割すべき)筋肉の上にある皮膚
沿ってキネシオテックスを貼る」という表現が
正確には正しいと私は思います。
つまり治療目的となる部位は「皮膚」と言えます。
意外でしたか?「筋肉に対してじゃないの?」と
不思議に思う方がいるかもしれませんが、
「皮膚を狙う」という表現の方が私は正しいと思います。
キネシオテーピングの最大の特徴は体表面に圧力を
加えずに皮膚の動きをコントロールできることなのです。
トレーナー養成講座を受講された方ならおわかり
だと思いますが、テキストの3ページに
キネシオテックスが皮膚を持ち上げ、表面が
波打っている図があります。あのアコーディオンの
ような「しわ」がポイントです。仙棘筋テープの練習で
体験しましたよね。
「皮膚のしわ」が何故、筋肉のパフォーマンスUPに
関係してくるのでしょうか?
また、なぜ身体のコンディションの改善に繋がるのでしょう?
次回その説明をいたします。

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続く・・・