2010年10月18日月曜日

「固有感覚テーピング」 7/7(最終回)

全7回も今日でおしまいです。


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本文

結論

固有感覚テーピングの効果の正確なメカニズムは
わかっていないが、臨床的には速やかで顕著な効果があり、
とくに痛みの緩和、運動パターンの是正、および、
リハビリテーションの推進という効果が高いテーピングは、
徒手療法、治療的エクササイズ、および患者教育と
組み合わせることによって、筋アンバランスと
異常連動パターンの治療に役立つ補助的方法である。

(7/7修了)


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という内容で締められていました。

この「結論」は非常によくまとまっていて、
患者さんやスポーツ選手等に
キネシオテーピングを説明するのに
役立つと思います。

「正確なメカニズムはわかっていない・・・」と
記載されているので、私は気に入っています。

よくキネシオテーピングの紹介で
「すき間を作り、体液の循環をよくして・・・」という表現がありますが、
キネシオテーピングのメカニズムはこんな単純なものではないと
私は考えています。

もちろん、青アザの早期消失などは、このメカニズムが働いて
いるのですが、キネシオテーピングの醍醐味は
求心性情報と遠心性情報の相互関係に働きかけることだと思います。



あらためて・・・

やっぱり、キネシオテーピングはいいですよ!

今回の文献紹介にもあるように、海外でも広く普及している
「補助的方法」です。

ぜひ、たくさん使いこなしてください!




つづく・・・

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2010年10月15日金曜日

「固有感覚テーピング」 6/7

続きの6回目です。



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本文

上位交差症候群の治療におけるキネシオテーピング


上位交差症候群では、頭が前に突き出して猫背姿勢に
なることが多く、頸椎分節と頭を支えるのに必要な周囲の
筋に力学的負荷がかかる。

この場合に縮んでいる筋は、大胸筋上部僧帽筋
および肩甲挙筋で、抑制や弱化が生じているのは、
頚部の深層屈筋中部および下部僧帽筋である。

上位交差症候群に対する治療としては、
姿勢矯正トレーニングや縮んだ筋のストレッチに
加えて、患者の姿勢に対する意識を促し、
過活動筋を抑制するためにキネシオテーピングを
使用することができる。姿勢矯正のためのテーピングでは、
まず肩甲骨をできるだけ中間位にする。
そして、テープの先端を肩鎖関節の前側に固定して、
そこから肩甲骨の下角と胸椎の方に向かって
貼っていく。
(肩先から肩甲骨の下角を通過して脊柱までのI字テープです)

上部僧帽筋を抑制する場合は、頚椎を側屈および
対側へ外旋させた状態で、まずテープの先端を肩峰の
外縁に固定し、筋腹に沿って後頭骨の底部まで貼る。
(通常の上部僧帽筋のテーピングでOkです)

(6/7終了)
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上位交叉症候群のイメージは下記です。


















過緊張した筋に「抑制をかける」という
表現がされてますね。ある筋の「過緊張」の
背後には、永続的に機能低下を起こしている筋群が必ず
存在しているので、弱化筋(下僧帽筋、菱形筋、前鋸筋etc)に
対しても当然テーピングを施すべきだと思います。

つづく・・・

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2010年10月7日木曜日

「固有感覚テーピング」 5/7

続きで5回目です。



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本文

骨盤交差症候群の治療におけるキネシオテーピング

キネシオテックス・テープの伸縮性を利用して、活動が
低下した筋の促進と、過活動で収縮した筋の抑制
テーピングを利用することができる。

骨盤交差症候群では、Jandaの報告のとおり、大殿筋、中殿筋、
および腹筋が抑制されるか、弱化している一方で、股関節屈筋と
腰部伸筋が縮んで硬直していることが多い。

キネシオテーピングは、これらの抑制された筋を
きわめて効果的に促進すると同時に、縮んで硬直した
筋を伸長させる。テープは大殿筋と中殿筋の
近位付着部から遠位付着部に向かって貼る。
たとえば、大殿筋を促進するには、テープの端を
まず腸骨後部の近位付着部に貼り、股関節を無痛の
最大屈曲域まで動かしたのち、大転子に固定する。

(5/7終了)

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「骨盤交差症候群」は下位交叉症候群、
ローア・クロス・シンドロームと
呼ばれるものだと思います。
下図のように機能亢進する筋群と機能低下する
筋群が交叉するように区分けされます。
姿勢筋は緊張しやすく、相動筋は筋力低下しやすい
特徴があるためです。
















文中では、臀筋群のみにテーピングを
使用する記載となっていますが、
機能低下を起こしている、腹筋群にも
テーピングを使用することを
お薦めします。




つづく・・・

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2010年10月3日日曜日

「固有感覚テーピング」 4/7

続きで4回目です。


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本文

キネシオテーピングと筋の再教育

臨床的にはJandaの分類に従って、筋系は収縮または硬直しやすい筋と、
抑制されて弱化しやすい筋の2種類に分けられます。
これら2つの筋系の関係の変化が筋アンバランスもたらし、
続いて臨床的問題を引き起こす。

例えば股関節の過伸展は歩行周期の末期における重要な現象である。
このとき、縮んだ股関節屈筋と弱った殿筋のアンバランスな関係によって、
股関節が十分に伸展できなくなると、やがては機能障害的な
運動パターンが現れて、股関節の伸展の代償として、腰椎の前弯が
強調されることになる。このような筋アンバランスがある腰痛患者では、
腰椎分節にそれ以上のストレスがかかることを避けるために、
必ず正しい股関節伸展を回復しなければならない。股関節伸展を
回復するには徒手的治療やエクササイズと組み合わせて、
縮んだ股関節屈筋を抑制し、殿筋を促進するキネシオテーピング
使用が可能である。

キネシオテーピングで筋機能を変化させることにより体の部分への
フィードバックが正常化し、患者の意識的な連動パターンの矯正が促される。
キネシオテーピングは患者が能動的に運動を望ましいパターンコントロール
できるようになるまで、またはテープを外しても症状に対する効果が
維持されるようになるまで、使用を続ける。股関節伸展の
正しい運動パターンは、やがてフィードバックが十分に
繰り返されることにより、再びプログラム化される。

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キネシオテーピングの使用目的を患者さんに説明する際に
とてもわかりやすい内容ですね。

私はキネシオテーピングの効果は、筋の周囲の
「活動環境を改善」しているのだと思います。
(革ジャン、革パンを着てラオウに立ち向かうケンシロウに、
「戦うならこっちの方が動きやすいよ」と言って、ジャージを
手渡しているようなもの・・・)

つまり、「もう少し股関節を曲げたいのに・・・」と
筋が動きにくい状態にあれば、まわりをゆったりしてあげれば、
曲がるようになりますし(敢えて引用するなら「促進」)、
「曲げにくいけど、ここでがんばって曲げなきゃボール蹴れないし・・・」と
特定の筋が過剰に働いていたのであれば、まわりをゆったりして
あげることによって、「枷」がなくなり、本来の活動量に戻ることができます
(敢えて引用するなら「抑制」)

まとめると、
キネシオテーピングを貼ることによって、
皮膚、軟部組織を介して
「使えていない筋」&「使い過ぎの筋」はどちらも
「元の状態に戻る」のではないでしょうか。
キネシオテーピングは直接「筋」へのアプローチではなくて、
「皮膚(軟部組織)」→「筋」の間接アプローチだと思います。
「促通」とか「抑制」という表現ではなく、筋本来の「生理状態に戻す」
という表現の方が適切かもしれませんね





つづく・・・

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