2010年4月29日木曜日

「共縮」状態にある筋に対するキネシオテーピング

トレーニングについてある程度学ばれた方ならご存知だと思いますが、


「共縮」という筋肉同士の状態があります。

共縮」の簡単な例を挙げると、力コブを作る腕の動きをしたときに

上腕二頭筋が収縮し、拮抗筋である上腕三頭筋は伸張するのが

本来の筋肉の動きですが、身体に力が入って(力んだ状態)、

リラックスできていないと、伸張すべき上腕三頭筋も収縮してしまい、

上腕二頭筋の働きにブレーキを掛けてしまうのです。

ブレーキとアクセルを同時に踏んでいる状態です。





投球、投擲動作、バレーのアタックのような、いったん「タメ」を作る

動作時に「共縮」が生じると拮抗筋が原因でしなやかな動きが

損なわれてしまいます。つまり、ある運動を行う際に「伸びる側」と「縮む側」が

本来の動きを行えば、運動パフォーマンスが損なわれることがありません。





これは柔軟性の向上にも応用できると思います。仙棘筋のキネシオテーピングを

貼ることにより前屈がしやすくなりますが、これは「伸びる側」へのアプローチです。

では「縮む側」とは一体どこか?この場合は腹筋群です。よって以前紹介した

腹直筋のキネシオテーピングを貼るとさらに前屈がしなすくなります。

(特にお腹が出ている人には効果大です)



今回は肩関節の稼動域を向上させる為に「伸びる側」と「縮む側」に

キネシオテーピングを貼ってみたいと思います。

部位別1の講習会に参加された方ならお分かりだと思いますが、

スクリーニングテストのライトテストで、稼動域のUPを確かめることができます。



まず背面に使用するのは「上腕神経キネシオテーピング」です。

これは頸肩腕症候群で腕の痺れに対症療法として貼るテーピングでもあります。



【貼り方】
■上腕神経キネシオテーピング

①手首を少し越えた甲側に基部を貼り付け、必ず手の平を自分の顔に向けた状態で、

 抱き枕を抱えるように手首→肘→上腕の順に折り曲げて、皮膚の「遊び」を

 取りながら、上腕1/2くらいまでI字テープで貼ります。


②上腕1/2を越えたところからY字テープの上方を頚椎の7番に向けて、

 下方を胸椎の7番に向けて貼ります。



身体の前面には、大胸筋のキネシオテーピング、
上腕二頭筋のキネシオテーピングを施します。



■大胸筋キネシオテーピング





■上腕ニ頭筋



筋肉・関節稼動域を診て、縮むべきところが縮んでいない、

伸びるべきところが伸びていない部位にキネシオテーピングを貼ると

非常に良い結果が出せると思います。




つづく・・・

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2010年4月28日水曜日

意外に効果大!  腕橈骨筋キネシオテーピング

腕橈骨筋についてです。

私の経験上、肩こりで僧帽筋、上腕二頭筋のキネシオテーピングを

貼ってもイマイチだという方に意外と効果があるテーピングです。

この筋肉は変り種で、肘の屈曲に関係する筋肉は上腕の内側に

付着しているものですが、腕橈骨筋は肘関節の屈筋でありながら

上腕の外側に付着しており、回外、回内の両方の機能を持ちます。

なぜこの筋肉が肩こりに効果があるかというと、

腕橈骨筋は負荷の掛からない肘関節の屈曲ではほとんど働かない

筋肉だそうです。緊急時に働くので「エマージェンシー・マッスル」

とも呼ばれています。では、もし日常生活でこの

「エマージェンシー・マッスル」が頻繁に使われていたらどうなるか?

腕橈骨筋の疲労は筋連結先である上腕三頭筋にも影響を与え、

筋肉のしなやかさがなくなり縮んでしまうと仮定。すると

本来10の力で肘関節を屈曲させていた上腕二頭筋は拮抗筋が

伸びにくくなることにより、10の力では足りず、13、14の力を

使い肘を屈曲させる。当然通常の力を超えているので負担が蓄積する。

負担の蓄積が肩関節の稼動域を制限し、自分のYシャツの脇の下を

掴みながら腕を上げるような状態となり、腕を上げる行為が窮屈となる。

結果、肩こり(五十肩)といった症状に発展してしまう。

もちろん人間の身体は機械ではないので、こう簡単には説明できませんが、

このようなイメージでアプローチしています。



【貼り方】

1、幅は腕の太い人で5cm、通常は3.75cm 手首の付け根から、

 肘を少し越えたところまで採寸



2、腕橈骨筋の筋腹をしっかり包むことがポイント。右手に

 貼るのであれば、左手で右手首を押さえ、肘の屈曲に抵抗を

 掛けると筋腹をはっきり確認できます。

 (この時右手の親指は上を向いていること)





















肘の屈曲が軽くなったと感じると思います。


意外と意外とボクサーのジャブ(打った後の引き)に効果が

あるかもです。


ぜひお試しください。




つづく・・・

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2010年4月24日土曜日

リンパコレクションテープ_ふくらはぎ

前回紹介したリンパコレクションテープの続きで、今回は腓腹筋です。

下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋)は通常の歩行の際に支持脚に体重が移行し、

踵離れまでの間、最大筋力の80%の力で下腿が前方へ倒れてゆくのを制限します。

無意識の内にこれだけの筋力が必要とされる筋肉なので、誤った歩行を

されている方、特に上下動の激しい「ぴょこぴょこ歩き」をされている方は

下腿三頭筋を必要以上に使っていることになります。(結果、脹脛は太くなってしまう)

脹脛の筋肉がパンパンになり、腓腹筋のキネシオテーピングだけでは、

いまいち緩められない場合に下図のようなリンパコレクションテープを

ファンデーション(下地)として貼ってみてください。













図はふくらはぎの膨らみまでしかカバーしていませんが(撮影上の関係で)

もう少し長めに採寸してもOKです。

左右の脹脛の皮膚の緩みが断然変わってきます。

お試しください。




つづく・・・

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2010年4月15日木曜日

リンパコレクションテープ_肩


今回はリンパコレクションテープを紹介します。非常に効果が高いテーピングで
私は頻繁に使用します。その理由は表面の皮膚をとても効果的に緩めて
くれるからです。

キネシオテーピングを頻繁に使用されている方から経験があると
思いますが、ほんの少し皮膚表面が緩んでくれるだけで、症状が軽減して
くれることが多々あります。

以前、腕の上がりが前と比べて悪くなったから見て欲しいという知人がいました。
身体に触れてみると、とにかく手首から三角筋までの筋肉がガチガチ。
(前腕屈筋群、上腕二頭筋、三角筋前部・中部・後部)
皮膚もフワフワした感じがなくなっている状態。この時、4枚程テーピングを
施したのですが、特に皮膚を緩めるのに効果的だったのが
リンパコレクションテープです。このテーピングは筋肉テープのように
決まった形はありません。緩めたい部位を4本~8本にカットした
テーピング2枚で覆ってあげます。


 
 
 
 
 
 

 







一応参考までに、私の貼り方を紹介します。1枚目の基部は烏口突起から
貼り始め、8本のテープが均等に離れるように広げて貼ります。この際、
図のように正面から見て腕の境界線(赤線)を越えない方が良いと思います。
反対側も同じ角度で貼ってあげます。貼り終えたら、テープと皮膚を
馴染ませる為に上から擦って上げてください。8本にカットするのが面倒ですが、
結構効きます。

これはお化粧でいうならば、ファンデーション。下地作りですね。つまり、
このテーピングで皮膚を事前に緩めておいて、三角筋のテーピング等を
貼ってあげると、より効果の高いテーピングになってくれます。

ぜひとも使ってみてください。


つづく・・・

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2010年4月4日日曜日

腰痛のキネシオテーピング_大腰筋


さて、今まで腰痛のキネシオテーピングということで、
腰背部のテーピング法と腹部のテーピング法、そして
下肢後面の大腿二頭筋、腓腹筋を紹介しましたが、
今回は腰部から下肢にまたがり、姿勢維持、
歩行のために極めて重要な筋肉である大腰筋についてです。
この筋肉は股関節屈筋の中で最も強力な筋肉で、
胸椎12番~腰椎5番から始まり、大腿骨の小転子に
付着しています(下図参照)


 
 
 
 
 
 
 
 
 


機能は股関節の屈曲、そして足(大腿骨)が
固定されていれば体幹の屈曲。
下肢を伸ばした状態で行う腹筋の
トレーニングが腰によくないと言われるのは、
大腰筋が働き、ダイレクトに腰椎をグイッと
引っ張ってしまい、負担が腰椎に掛かる為です。
股関節を曲げた状態で腹筋運動行うのは
大腰筋の働きを消す為です。
腰痛との関連ですが、大腰筋は背骨の
適正なS字湾曲の形勢に関与します。
この筋肉の柔軟性が損なわれると、
背骨を体幹前面に引っ張ってしまいます。
さきほどの下肢を伸ばした状態で行う
腹筋運動での負荷が立位の状態でも
掛かるようになります。
また骨盤も前傾してしまうので、
腹腔内の重量(内臓等)が前下方に移動し、
更に背骨を前方へ引っ張ることになります。

妊娠された女性の腰痛は、お腹の赤ちゃんの
重量が前下方にかかる為、背骨が前に
引っ張られてしまい、腰への負担が大きくなるためです。

【貼り方】

 1、ベット等に仰向けで寝て、貼る側の足を
   脇におろします。

 2、へその脇から貼り始め、そのまま下肢に
   向けてに真っ直ぐ貼ります。

  下段の図のように脚を閉じるとテープは
  内側に向かって走行します。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

下図のように、立った状態でテープが
ふとももの内側に向かわないのは失敗です。
 


 
 
 
 
 
 
 


下図の白い補正線のような走行が
正しい貼り方となります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

骨盤前面の安定感が得られます。
試してみてください。


つづく・・・

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