2010年2月28日日曜日

肩コリキネシオテーピング_大円筋

今回は大円筋です。
位置関係を明確化するために小円筋のキネシオテーピングと
一緒に貼ってみました。貼り方は少し位置をズラしただけの
ように見えますが、大円筋はその筋肉の付着部と機能を
理解した上で貼った方が効果があると思います。
と言うのも、解剖学を学んだ方なら分かると思いますが、
この大円筋という筋肉は肩甲骨の下角から始まり、
脇の下を通り上腕骨の前面(小結節稜)に付着してます。
つまり筋肉に沿って正しく貼るのならば、脇の下を通り
テープをねじって腕の前側に貼らなければなりません。
イメージは下の簡易図(上から見た図)です。










イメージがなんとなく掴めるでしょうか?
赤い大円筋が収縮すると、腕は内旋(内側に回る)します。
青い小円筋が収縮すると腕は外旋(外側に回る)するのです。
筋肉の位置は下の簡易図のようになります。
















広背筋との鑑別が難しい筋ですが、上図からも
わかると思いますが、大円筋は肩甲骨の下角より
下には走行しません。
よって下角よりも下を走行するのは広背筋となります。

【貼り方】

 1、貼り始めは肩甲骨の下角背側面。


2、肘関節を屈曲して、わずかに内転させる。
    そして、上腕後面、やや外側に向けて貼ります。

日常生活では一日の9割以上、腕をおろしている
状態なので、この大円筋も、小円筋同様に、
しっかりと皮膚にテーピングを貼りつけておかないと
非常に剥がれやすくなってしまい、十分な効果が
期待できなくなってしまいます。

小円筋も大円筋も、一見すると
地味~な感じのテーピングですが、
結構効果が出るキネシオテーピングの一つです!

テープは引っ張らずに貼りましょう。
(皮膚の上に置いてあげるイメージ)




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続く・・・

2010年2月23日火曜日

肩コリのキネシオテーピング_小円筋

今日は小円筋のキネシオテーピングです。
これは部位別3で教わるテーピングです。結構効く
テーピングなのですが、どうも貼り方がピンとこない人が
多いのではないでしょうか。
(実は私も習いたての頃は同じ気持でした・・・)

できるだけわかりやすく紹介してみたいと思います。
小円筋は腱板(ローテータカフ)を形成する4つの筋群の

一つです。肩甲骨の外側縁1/2から上腕骨大結節に付着しています。
主に上肢90度屈曲位での外旋運動に強く作用します。
同じ外旋筋である棘下筋に損傷がある場合、小円筋が
その機能を補うために代償性肥大を起こすこともあります。
上肢挙上時において、下方関節包の緊張を高めて骨頭の
安定化に作用し、また上肢の外旋時に後方関節包の
挟み込みを防止します。
後方の関節包は投球の動作で障害されることが多く、
投球時の肩甲骨の過剰な前突やフォロースルー期の
顕著な運動が原因です。野球の投手には関節包後部の
骨化がしばしば発生するようです。
また肩甲骨の上方回旋方向の運動制限がある場合、
上肢の動きが上腕骨だけでの運動となるため、
後部の関節包に負荷が大きくかかることになり、
治療しても、数ヶ月で同じ症状がでる患者の場合、
上記を疑う必要があると思います。

【貼り方】

 1、貼り始めは肩甲骨外側縁の1/2。



















2、肩関節を100度屈曲、内転、内旋させて、テープの
  走行と反対側に皮膚のアソビをとり、
  上腕骨大結節に向けて貼ります。


 
 
 
 
 
 
 

テーピングを施した後ですが、この部位の皮膚は
日常生活で常に短縮されている場所です。
下のイラストでも分かりますが、テープの
ほとんどが腋窩に隠れてしまいます。
よって、テープをしっかり皮膚に貼りつけて
おかないと剥がれやすくなってしまいます。
(腋窩前面の大胸筋も同様です)



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


大円筋もしくは広背筋と一緒に貼るのを
おすすめします。
大円筋キネシオテーピングは次回紹介致します。

テープは引っ張らずに貼りましょう。
(皮膚の上に置いてあげるイメージ)


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続く・・・

2010年2月20日土曜日

腰痛キネシオテーピング_内腹斜筋

内腹斜筋についてです。
腰痛の場合に身体の前面に貼るキネシオテーピングです。
この筋肉は第8~第10肋骨の肋軟骨と白線に始まり、
鼠径靭帯の上方1/2、腸骨稜の前面2/3、腰筋膜に
付着してます。これもピンと来ませんので
下の簡易図を参照ください。

外腹斜筋とは逆の走行をしてます。
この筋肉は両方が縮むと腰椎の屈曲、片側が縮むと
同側に側屈、回旋します。右側の内腹斜筋が縮むと
右側に身体を側屈し、右側に身体が回旋します。
上記の簡易図をイメージして貼ってみてください。

【貼り方】

 1、仰向けに寝かせ、上前腸骨棘に基部を貼る。

 2、両膝を立てて、基部を貼った側に両膝がしらを倒す。
   この際、上半身は反対側にねじる。
  (貼る部位の皮膚を伸ばす為)

 3、息を吸わせ、お腹を膨らませて剣状突起(胸の中央の骨)に
   向けて一気に貼る。

身体の回旋を伴う運動、野球のスイング、サッカーのシュート等で
出力UPにも効果的です。
左の回旋であれば左の内腹斜筋に貼ります。

上図は貼り位置を比べるために外腹斜筋と一緒に貼っています。

右側の外腹斜筋と左側の内腹斜筋を貼っていますが、
左への回旋を強める際に施すテーピングといえます。
例えば下図のようなサッカーでの左足でのシュート
(力強い「蹴り抜き」をフォローする上半身の捻り)です。

腰痛でコルセットの代わりに貼るのであれば、
左右の外腹斜筋・内腹斜筋を貼ってみてください。
予想以上に「支え」となってくれます。





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続く・・・

2010年2月18日木曜日

腰痛のキネシオテーピング_外腹斜筋

外腹斜筋についてです。
前回の腹直筋に続き、身体の前面に貼る腰痛対策の
キネシオテーピングです。身体の前面に貼る理由は
腹直筋の記載をご参照ください。
この筋肉は第5~第12肋骨の外側面に始まり、
腸骨稜の前半分、鼠径靭帯、恥骨稜、腹直筋鞘に
付着してます。ピンと来ませんよね・・・。
簡易図を作成しました。ちょうどポケットに両手を
入れるように外側から中央に向かって走行している
筋肉だという認識でよろしいと思います。
この筋肉は両方が縮むと腰椎の屈曲、片側が縮むと
同側に側屈、反対側に回旋します。
右側の外腹斜筋が縮むと右側に身体を側屈し、
左側に身体が回旋します。
上記の簡易図をイメージして貼ってみてください。

【貼り方】

 1、仰向けに寝かせ、へその下、毛の生え際に基部を貼る

 2、貼る側の膝を立てて、反対側に膝がしらを倒す。この際、
   貼る側の腕を上に上げる。

 3、息を吸わせ、お腹を膨らませて脇の下に向けて一気に貼る。

身体の回旋を伴う運動、野球のスイング、サッカーの
シュート等で出力UPにも効果的です。左の回旋で
あれば右の外腹斜筋に貼ります。
左図は通常の姿勢でお腹を反らしている状態。
「しわ」は発生しません。右図は貼った反対側に
身体を回旋している状態です。
この状態で「しわ」ができていれば成功です。
次回の内腹斜筋とペアで覚えておいてください。


PNF(ストレッチ)ご存知の方ならお分かりだと思いますが、
人間の身体の動きは螺旋と対角線の動きを伴います。
朝目覚めたときに腹筋運動の動きで上半身を起こす人は
いませんよね。どちらかに身体をひねりながら上半身を
起こすと思います。その方が楽(効率的)だからです。
どのスポーツであれ、この外腹斜筋のキネシオテーピングは
出力UP、パフォーマンスUPの一助になる
キネシオテーピングだと思います。

テープは引っ張らずに貼りましょう。
(皮膚の上に置いてあげるイメージ)


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続く・・・

2010年2月15日月曜日

腰痛のキネシオテーピング_腹直筋

腰痛のキネシオテーピングとして、仙棘筋、腰方形筋、腰腸肋筋を
紹介しましたが、これらは身体の背面に貼るテーピングです。
今回から腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋と身体の前面に貼る
テーピングを紹介します。
なぜ腰痛なのにテーピングを身体の前面に施すか疑問を
持たれる方がいるかと思いますので簡単に説明します。
まず上半身を支えているのはどこか?

背骨?

よく「身体の大黒柱は背骨である」と耳にしますが、
ここではこの考え方を脇に置いときます。
上半身を体幹から支えているのは腹筋です。
下の①の図を見てください。風船にある一方向から力を
加えた状態です。この加えられた圧力は
風船の内部で上にも下にも、どの方向にも加えられます。

そこで、①図の状態を身体の中にあてはめてみると、
②図のようになり、腹筋による体幹内部への圧力は
あらゆる方向に向けられます。当然上半身に向かって
上方へも力が加わります。この圧力の上に
上半身がのっかることにより、背骨(腰骨)への重力に
よる負担を軽減できることになります。

腹筋の支えがない状態が③図です。つまり上半身を
支える手段が背骨しかないため重力の負担が腰へ
掛かってしまうのです。

腰痛の時に用いるコルセットもこの考え方です。

外から圧力を加えてあげることで腹圧を高め上半身の
重みが全て腰に掛かるのを防いでいます。
コルセットは腰の傷みが軽減したら、使用しないよう
指示されますが、それは腹筋そのものがコルセットに
頼ってしまい長期間使用することにより
腹筋そのものが弱化してしまうからです。
その点キネシオテーピングは筋肉そのものを
賦活(出力UP)させる働きがあるので、長期の
使用になんら問題はありません。重度の腰痛の
場合は最初はコルセットを利用し、痛みが
軽減したところでキネシオテーピングを施す
対応をお勧めします。

【貼り方】

一般の方は3.75cm幅を使用
(体格の大きい方は5cm幅でも構いません)

1、可能な限り、股の付け根に近い位置から基部を貼り始めます
  (必要によっては毛を剃ってください)

2、へその横まで貼り、次に息を吸わせお腹を膨らませて
  貼る部位の皮膚を伸ばします。

3、肋骨の中央に位置する剣状突起の少し上
  (もしくは乳首の高さ)まで貼ります。
貼り終りが図のようにテーピングにしわができていれば

成功です。また、貼られた感じですが、身体の前面で
支えられている感触、腹筋の上に
上半身がのっかている感触を得られれば成功です。


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続く・・・

2010年2月14日日曜日

肩コリのキネシオテーピング_斜角筋

2005年5月8日(日)に放映された発掘あるある大辞典が
ご記憶にある方はいらっしゃいますか?

タイトルは『早期発見シリーズ第2弾「血栓」』でした。

不祥事によって番組は終了してしまいましたが、
(全部が全部「やらせ」ではなかったと思うのですが・・・)
まあ、信じる信じないは別として、参考までに
おもしろい内容であったので紹介してみます。

その内容は、
アキレス腱が太い人は動脈型血栓ができやすいそうです。
腱は血液中に溢れたコレステロールや中性脂肪が、
毛細血管からしみ出しこびりつきやすい場所で、
正常なアキレス腱よりも太いほど、血液ではコレステロールや
中性脂肪が溢れた状態になっていて、動脈型血栓ができやすい
おそれがあるというのものでした。
そこで血管が丈夫になる解消法ということで、
「動脈をしなやかにするマッサージ」が紹介されました。
一応内容を引用させて頂きますと、

 ① まず、片手を首の前面に当てます。
 
 ②手全体で皮膚をずらす感覚で、上下左右に動かします。
   一回の目安は30秒です。

ポイントは「一回30秒間、皮膚をずらす感覚で行い
あまり力を入れ過ぎないように注意」することだそうです。
効果は下記でした。

 Aさん(50代)
  最高血圧:132 → 130
  最低血圧:91  → 89

 Bさん(40代)
  最高血圧:143 → 141
  最低血圧:94  → 98

最高血圧が下がる理由は、
「マッサージをすると、まず末梢血管の血行が良くなり、
その刺激が血管壁に伝わります。すると、
NO(一酸化窒素)という物質が、血管壁から分泌され、
血管の柔軟性が高まり、血圧が安定する」からだそうです。

マッサージ方法に記載されている
「皮膚をずらす感覚で行い」とはまさに
キネシオテーピングの得意とするところで、
特徴の一つである、「体表面に圧力を加えずに、
皮膚の動きをコントロールできる」に該当します。

斜角筋のテーピングを貼って、その前後で血圧に
変化が生じるか測定してみました。
貼ったテーピングは前斜角筋、中斜角筋、
後斜角筋のコンビネーションです。




血圧とは、血液が血管の中を流れる時に、血管の壁を
押し広げていく圧力のことをいいます。血圧には2種類あり、
心臓が収縮する時(血液が動脈内に多量に、
一気に送り出される時)の圧力を最高血圧(収縮期血圧)と呼び、
心臓が拡張する時(血液が静脈から心臓内に流れ込む時)の
圧力を最低血圧(拡張期血圧)と呼びます。

[血圧正常値]

 収縮時血圧…100~139mmHg
 拡張期血圧…90mmHg未満

実験の結果は、
テーピング無しでは下記の値を示しました。
正常値と見ていいでしょう。











左右に前・中・後斜角筋をテーピングを貼り、
1分間程度左右に首を動かし、十分しわを作ってあげました。
下図が結果です。











確かに血圧に変化がありましたが、
気になるのは拡張期血圧が上昇していることです。

脈圧を見てみると、114-65=49(前)、100-71=29(後)と
変化が確認できますが、
平均血圧は、(49÷3)+65=81.33(前)、(29÷3)+71=80.66と
変化無しとも言えそうですね。

前・中・後斜筋は首の寝違え等に
使用するテーピングですが、
血圧に何らかの影響を与えるのかもしれませんね。



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続く・・・

腰痛のキネシオテーピング_腰腸肋筋

腰腸肋筋についてです。
この筋肉は脊柱起立筋の一つです。
脊柱起立筋は腸肋筋、最長筋、棘筋の総称で
主な機能は脊柱の伸展(後ろにのけぞる)と
側屈(身体を横に曲げる)です。
「腰腸肋筋」は腰部に位置する腸肋筋のことを示します。
筋肉の付着部は解剖学の書籍によりそれぞれ解説が
違うことがあるので、さほど気にせず、テーピングを
施しても良いと私は思います。

【貼り方】

 1、仙棘筋と違い、背骨から少しずらした位置に基部を貼る(下図参照)

 2、身体を前屈させ、一方を筋肉の盛り上がりの上に
   のせるように貼る。目安は肩甲骨の下角の高さまで。

 3、もう一方を肋骨角に沿って貼ります。
   「肋骨角」は聞きなれない名称ですが、
   肋骨が身体の前面に向かって弧を描く
   頂点の辺りと考えて頂いてOKだと思います。

この腰腸肋筋が両方とも弱いと腰が曲がってしまい、
片方が弱い(もしくは過緊張による拘縮がある)と
身体が横に傾いてしまいます。腰痛の症状、
身体の状態に応じて、仙棘筋、腰方形筋、腰腸肋筋を
使い分けてみてください。



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2010年2月11日木曜日

腰痛のキネシオテーピングの貼り方(仙棘筋)

腰痛に貼るキネシオテーピングの基本であり、基礎養成講座で
最初に練習する仙棘筋テープについてお伝えします。
このテーピングはキネシオテーピングの特徴とも言える「しわ」に
ついて勉強するにはもってこいのテーピングであり、
貼った直後に身体の変化を確認できるテーピングでもあります。
また「腰が痛い、重い」という症状にまず最初に貼ってあげる
テーピングの候補です。
このテーピングを貼る前に、まず貼られる人は前屈をしてみましょう。
もし背中の筋肉(脊柱起立筋)のこわばりが原因で前屈可動域が
少ない(身体が堅い)ようであれば、貼った直後に手の指が床に
しっかり付くようになります。
(※注意:但し、ハムストリング、ふくらはぎのこわばりや、身体前面の
柔軟性の低下が原因の場合は期待通りの結果になりません)
認識しておくべき点は、「どんな腰痛も治せる」テーピングではない
ということです。長時間のデスクワークにより腰周りの筋肉の血行が
悪くなり腰が重くなってきたという場合には効果がありますが、
慢性的な腰痛を完治させるには他のテーピングとの併用が
必要になってきます。あくまで施術の下地作りと考えるべきです。
お化粧でいえば「ファンデーション」と言えるでしょう。

【貼り方】
 1、お尻の割れ目の始まりから肘の高さまでを採寸します。

 2、基部をお尻の割れ始めに貼り付けて、前屈をしてもらいます。
  (皮膚を伸ばすため)

 3、背骨の両脇に隆起している脊柱起立筋の上にのせる
   イメージで貼ります。









下図のイラストのように「しわ」がたくさんできていれば成功です。


貼り終りの左右の高さを確認して下さい。
どちらかが高ければ、引っ張って貼っている
ことになります。慣れれば自分の身体にも貼れる
テーピングなので、腰痛とまではいかないけど
腰が重たい(血行が悪い)なんて場合に貼ってみてください。



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2010年2月10日水曜日

腱鞘炎のキネシオテーピングの貼り方ver2

前回の腱鞘炎のキネシオテーピングの貼り方に引き続き、別角度から

説明していきます。このテーピングは非常に効果的です。
軽度の腱鞘炎の方であれば、貼った後の軽いマニュピレーションで
瞬時に痛みやハリ感が消失しますので、ぜひマスターしてください。
まずおさらいです。親指で腱鞘炎になりやすいのは、
下記の図の長母指外転筋と短母指伸筋の二つの腱が通る
伸筋支帯の第一トンネル(※)です。下図の左側の腱になります。










では貼ってみましょう。
キネシオテーピングの幅を2.5cmにカットして、長さは親指の爪の
生え際から肘の外側上顆までを採寸します。
下図のように腕を前に出し、そこから手の甲を天井を向けたまま肘を
90度くらい曲げます。その状態で手の甲から肘に向かって手をあてて
いくと隆起した骨に触れられます。それが外側上顆です。

【貼り方】
 ①親指を曲げた状態で爪の付け根から貼り始め、一旦、親指の付け根
  までテーピングを貼ります。注意すべきは、親指を曲げた状態で貼る
  ため、指の中央部が隆起します。
  (文章ではピンとこないと思いますが、指を曲げた状態をご自身で
  見てみると、理解できると思います)
  その隆起部にテープがのっかる形になりますので、うまく貼らないと
  隆起にのっかっていない両脇のテープ同士がくっついてしまう場合が
  あります。(白線までの作業)

②一番の上のイラストで示した、長母指外転筋と短母指伸筋の腱の
 上にうまくテープをのせられるよう方向付けをしっかりします。
 (白線までの作業)








③腱の上にテーピングをのせてあげます。
 この状態では、皮膚の遊びをとるために手首を
 尺屈(小指側に手首を曲げる)します。腱の位置が分からなく
 なってしまうので、親指を起こして腱を浮き立たせて再確認すると
 より正確に貼れると思います。
 もしくは事前に腱にペンで線を引いておくとよいでしょう。
 (白線までの作業)









④最後の仕上げです。
 手首を尺屈(小指側に曲げた肢位)の状態のまま、下図のように
 親指側を内側に回します。
 この作業で、外側上顆までの距離が広げられ、皮膚の遊びをより
 多く取ることができます。実は長母指外転筋も短母指伸筋も
 外側上顆まで筋肉が走行していません。外側上顆まで貼る理由は
 前腕の伸筋群側にもアプローチする為と考えてください。










通常、他のテーピングでは、「仮置き」といって、一旦、セパレーターから

キネシオテックスを剥がして、体に貼る作業があるのですが、
この腱鞘炎のテーピングでは、貼る部位ごとに段階的に貼っていきます。
(その方が貼りやすい!)
貼り終ったら、何回か親指側に手首を曲げて(橈屈)あげて、
テーピングに「しわ」ができるかをチェックしてください。
貼り方Ver1と合わせてイメージするとよいと思います。
慣れれば簡単、一人でも貼れる腱鞘炎対策です。
ぜひお試しください。

でも腱鞘炎って不思議だと思いませんか、腱鞘炎は指の使い過ぎで
起こると言われてますが、痛みが出ている腱は伸筋の腱鞘です
親指を起こすような動きって、日常生活ではほとんどしない
動きですよね。(海外のヒッチハイカーでもない限り・・・)
普段しない動きなのにお医者さんは「使い過ぎ」と言います。
なぜでしょう?
実はちゃんと発症メカニズムが存在します。
「使い過ぎ」には間違いないのですが、さてどこが使い過ぎなのでしょうか?
このなぞが解けると更に効果的なキネシオテーピングを貼ることが
できるようになります!

これもテープは引っ張らずに貼りましょう。
(皮膚の上に置いてあげるイメージ)

※伸筋支帯のトンネル


 第一:長母指外転筋と短母指伸筋の腱
 第二:長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋の腱
 第三:長母指伸筋の腱
 第四:示指伸筋と総指伸筋の腱
 第五:小指伸筋の腱
 第六:尺側手根伸筋の腱



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2010年2月8日月曜日

腰痛のキネシオテーピング_腰方形筋

腰方形筋についてです。
この筋肉は腰骨(腸骨稜)から始まり、1番目~4番目の
腰椎の横突起と12番目の肋骨に付着しています。
主な機能は腰椎の側屈(正面を向いたまま身体を横に倒す動き)です。
また骨盤の安定(骨盤の引き上げ)、呼吸時の横隔膜の動きの
補助にも関与する筋肉です。身体を安定させるために働く
主要筋と言えます。
この筋肉が低下すると、同側の肋骨が上がってしまいます。
(右側の腰方形筋が弱化すると身体は左に傾きます)
重い上半身が傾く訳ですから他の筋肉にも負担を与え、
腰椎が曲がり、腰への負担も生じてしまいます。

まず立った状態で、股関節、膝、足首を曲げずの足の平を
地面から浮かせてみましょう。
左右に差がある、もしくは全く地面から足の平を離すことが
できない場合は腰方形筋の弱化があると推測できます。

身体の左右どちらかに傾きがある、もしくは上記のテストで
足を上げられないといった腰痛持ちの方は腰方形筋の
キネシオテーピングを試してみてください。
側屈の動きが楽になるテーピングです。

【貼り方】

 1、骨盤の上端を探し、キネシオテックスの基部を貼ります。

 2、貼る側と反対側に身体を側屈させ、脇腹に向けて
   肘の高さまで貼ります。(12肋骨に向けて)

 3、身体を元に戻し、今度は前屈させて脊柱に
   向けてもう一方を貼ります。












貼った側に身体を側屈すると、きれいに「しわ」ができます。
基部は下着の脱衣等で剥がれやすくなってしまいますので、
「面取り(角を丸くする)」を行った方がよろしいかと思います。

意外ですが、貼った側の腕が上がりやすくなることもありますよ!



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続く・・・

腱鞘炎のキネシオテーピングの貼り方ver1

親指の付け根の腱鞘炎のテーピングについてです。 

意外と腱鞘炎の予備軍の方はたくさんいるので、
下図のテストで自分の状態をチェックしてみましょう。
これは親指を握り、手首を小指側に強制的に曲げることにより
痛みが誘発されるかどうかを調べるテストです。
(フィンケルシュタイン・テスト)


このテストで、ドゥケルバン腱鞘炎の陽性(or予備軍)かどうかを

テストできます。ドゥケルバン腱鞘炎とは手首における代表的な
伸筋腱炎の一つで、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱が
橈骨茎状突起部(親指側の出っぱった骨)で狭窄された状態を
言います。使い過ぎが原因で、指をよく使う職業の人に多く
認められます。中には、軽微な外傷や妊娠、出産をきっかけとして
発生する場合もあるようです。
私もたまに痛みが出るので、その都度このテーピングを貼っています。
軽度の場合、3日間くらい貼り続けていると痛みが消失すると思います。
ポイントは「テープのしわ」です。このしわが皮膚を持ち上げることにより
皮下の隙間を作り、リンパ液・血流の流れを良くすることによって
痛みを和らげます。

-貼り方-

 ①下図のように貼る部位の皮膚を伸ばし、親指の爪の生え際を
   貼り始めとする。剥がれやすいところなので、アンカーを
   ひと巻きした方がいいかもしれません。


 ②親指の付け根にある腱(長母指外転筋の腱と短母指伸筋の腱)の
  上にテーピングを貼る。解剖学的には伸筋支帯の第一区画です。

 ③下図の部位は剥がれやすいの念入りに、こすってあげる!
   【注意】必ず上図①の小指側に手首を曲げた状態のままで
   こすります。下図のように親指を立てた状態でこすっても
   意味がありません注意してください。

貼り終わったら、親指側に手首を数回曲げてテーピングを馴染ませます。
うまく「しわ」ができていれば成功です。


上手に貼れていると、先ほどのテストを行うと痛みが、
軽減しているのがわかると思います。ぜひ試してみてください。
慣れると一人でも簡単に貼ることができます。





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2010年2月6日土曜日

ローテーターカフ(回旋筋腱板)のキネシオテーピング_棘下筋

棘上筋に引き続きローテーターカフ(回旋筋腱板)と呼ばれる
筋肉群の一つである棘下筋のキネシオテーピングです。
棘下筋は上腕の外旋筋として最も強力な筋肉です。
外旋とは親指を上にして肘を90度曲げた状態で
手の甲側へ腕を回す動きです。
また棘上筋同様に肩関節の安定化に重要な働きを担い、
棘上筋の次に損傷を受けやすいローテーターカフの筋群です。
外旋の動きの他には腕を真横に90度上げた状態で、
腕を後方に引っ張る(水平伸展)の動きにも関与します。
棘上筋との位置関係を明確化するために一緒に貼ってみました。
(下図も参照)

【貼り方】

 ①肘を90度曲げて手の平をお腹にあてる。
  これは貼る部位の皮膚を伸ばす為です。
  (お腹が痛い時にとる腕の動きですね)

 ②下図の数字の順番で貼っていく

  (1)・・・肩甲棘の最も背骨よりの終端

  (2)・・・肩甲骨の下角(一番下)

  (3)・・・(1)と(2)の貼った部分を両手でおさえて
       皮膚のアソビを背骨側へとる。そして、
       上腕骨に少し巻きつけるイメージで貼る。









上図のように棘上筋と棘下筋の組み合わせで肩まわりの
安定感を得られます。また肩関節が外旋する際、菱形筋
という筋肉(肩甲骨の内側と背骨に付着している筋肉)が
肩甲骨をしっかり固定することにより外旋をしやすくしていますので、
外旋の動きで障害がある方は菱形筋の
テーピングも一緒に貼ってあげるのが効果的だと思います。
(菱形筋のテーピングは別途紹介します)


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2010年2月5日金曜日

キネシオテーピング法が中学校体育教科書の副読本に掲載されました!

キネシオテーピング協会はキネシオテーピング法を怪我の予防・処置の
位置づけとして、学校教育活動に参入できるように活動をしており、
その努力の結果として、この度、副読本に「キネシオテーピング法」を
掲載することができました。

















副読本に掲載されることで、体育教科書に「キネシオテーピング法」が
掲載される可能性がでてきました。
今回は中学校の副読本ですが、今後小学校や高校の副読本に
掲載されるように普及活動を続けていくようです。
楽しみですね!


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続く・・・