続きで3回目です。
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本文
キネシオテーピングのテクニック
キネシオテーピングはリンパ液の流れを促進して、
術後浮腫を改善する治療法として広く使用されてきた。
圧迫型の従来のテーピング法と異なり 何本もの細いひも状の
キネシオテックスを、浮腫が生じている部位とその周辺の皮膚の
表面に軽く貼り付ける。
この伸縮性のテープを伸びた筋膜の上に貼ると表層皮膚が
波打って溝が開き表皮の間質内圧の減少にともなって、
リンパの流れが自由になる。
キネシオテーピングのもうひとつの特徴は筋のスパズムや弱化への
使用である。従来のアスレチックテービングはテープの層による
圧力で関節を中間位に保ち、過剰な運動を制限して外傷を防いだが、
キネシオテーピングは筋の近位と遠位の付着部に貼るので、
負傷した筋そのものにも直接使用することができる。したがって、
このテクニックを使用するためには筋の解剖学と筋線維の配列方向を
熟知しておく必要がある。テープには伸縮性があるので、
片手で持ったゴムバンドを他方の手で引っ張るような要領で、
支点への反動によって張力をゼロにすることができる。
そのことを念頭において、筋の起始部から停止部の方へテープを
貼れば筋の活動を促進でき、逆に停止部から起始部の方へ貼れば
筋活動を抑制できる。
どのようなキネシオテーピングテクニックを使用するかは機能障害の
急性度や治療目標に応じて決める。
例えば、治療の目的が疼痛期にある外上顆炎患者の肘と手首の
伸筋の固定である転合、停止部から起始部に向かうテーピングで、
筋を抑制することが適切である。
しかし、筋のスパズムがおさまりコントロールされた
エクササイズ・プログラムが適用される場合には
起始部から停止部へのテーピングで筋活動を促進することが望ましい。
関節の位置とそれにともなう可動域も関節周囲の筋活動のバランスが
改善されることにより達成される。(3/7終了)
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ふむふむ
興味深いのは、テープを貼るときの「向き」です。
まとめると、
起始部 → 停止部へのテーピング:筋活動を促進する
停止部 → 起始部に向かうテーピング:筋を抑制する
どこかに同じようなことが書いてあったな・・・
『キネシオテーピング・アスレチックテーピング併用テクニック』
この本の33ページに下記の記載があります。
7.テープの方向
痛んだ筋肉の治療のための基本的なテープ貼付の方向にはふたつある。
第一に、急激に使いすぎて収縮した筋肉に対しては、テープを
“停止部(insertion)から起始部(origin)”に向けて適用する。
【急性の障害には停止部から起始部へ】
次に、慢性的に弱った筋肉、または大きく収縮させることが望ましい
筋肉の場合は、テープを起始部(origin)から停止部(insertion)に
向けて適用する。
【慢性の障害には起姶部から停止部へ】
◆停止部から起始部に向けて
停止部から起始部へ向けてテーピングする時のテープの張力は
ほとんど、もしくは全く不要である(10~25%)。
この場合の理想的なテーピングは、キネシオテックスを剥離紙から
はがして、じかに筋肉に貼付すること
◆起始部から停止部に向けて
起始部から停止部へのテーピングの張力は、逆方向に比べれば
やや強めでも良いが基本的には軽めに行う(10~40%)。
術者は、起始部から停止部へ向けてこの程度の軽い張力をかけて
貼付しても、テーピングによってキネシオテックスが皮膚に
粘着している面の伸縮性繊維同士の間に、わずかながらすき間が
生じているのが見えるはずである。
もし、テーピング後の皮膚に、シワではなくテープに
押さえつけられた部分に溝ができ、大きくくぼんだようなたるみが
ある場合には、テーピングした際の張力が大きすぎたと考えるべきである。
・・・
ほんと?
この考え方は、私がキネシオテーピングを学びたての頃、悩まされました。
人の身体(筋肉)ってそんなに単純?
アプライドキネシオロジーの筋紡錘テクニックやゴルジ腱テクニックに
応用するならまだしも、貼る方向を変えるだけで、
筋肉を促進したり、抑制したりできるものでしょうか?
数年前までは、そんなこと不可能と考えていたのですが、
最近、アクティベータ・メソッドで利用される
ストレス・テスト、プレッシャー・テストの考え方を少し応用すると
筋肉を促進することは可能ではないかと
考えるようになりました。
(正確には、「促進」ではなく、「本来の状態のもどす」が正しいと思いますが)
でも、この考え方は、「起始部から停止部へ、またはその逆」では
ありません。関節包の張力に変化を与えるのが目的です。
2.5cm幅 × 10cm のキネシオテックス4枚を膝に使用して、
体幹前屈可動域を改善させることが可能なんですよ。
つづく・・・
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